学習障害は、「障害」という言葉のイメージからとても重い障害のように感じてしまいますが、知的発達に遅れはなく、特定の能力の修得に困難を示します。
そのため、近年はLDと呼ぶことが一般的となっています。
LDは約2〜3%の割合でみられるとされています。
つまり、30人のクラスでは1〜2人存在するのです。
また、女の子よりも男の子のほうが発症率は高いとされています。
学習障害は1999年に旧文部省により、「学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち特定のものの修得と使用に著しい困難を示すさまざまな状態を指すものである。
学習障害は、その原因として中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や環境的な要因が直接の原因となるものではない」と定義付けられています。
上記の学習障害の定義にもあるように、学習障害は知的な発達に遅れはなく、読む・書くなどの1つまたは複数の分野の理解・能力取得に困難が生じます。
特定の能力にのみ障害があり、他の能力は正常です。障害のある特定の能力意外は、高い知能を持っている場合もあります。
算数の問題は理解でき、計算も他の人より速くできるのに、文章をスムーズに読めなかったり、字をかくことが困難だったりします。
頭の回転は速く、会話も流ちょうであるのに、読み・書きだけに困難を示すのです。
学習障害の症状はさまざまです。主に下記のような症状があります。
学習障害の一つにディスレクシア(読字障害)があります。
文字を読む能力に障害があり、よく似た文字が理解できなかったり、文章を読んでいるとどこを読んでいるのかわからなくなってしまったり、字を読むと頭痛がしてくる、逆さに読んでしまう、読んでも内容が理解できないなどの症状があります。
学習障害の文字を書くことに困難を示す症状です。
黒板の文字を書き写すのが難しかったり、鏡字を書いてしまったり、作文が書けない、読点が理解できないなどの症状があります。
数字や記号を理解・認識できない、簡単な計算が出来ない(指を使わなければできない)、繰り上がりや繰り下がりが理解できない、数の大小の理解が困難などの症状があります。
LDの原因は、脳機能の障害とされていますが、まだはっきりとしたことはわかっていません。
しかし、育て方や環境などによるものではありません。
LDは知能に障害もなく、特定の能力以外は正常です。そのため、特定の分野においてできないことを「苦手」や「個性」と捉えてしまう場合が多く、対応が遅くなるケースが多いようです。
また、障害に気付きにくいために、「努力不足」と思われたり、「どうしてできないの」などと言われたりしてしまいます。
いじめや不登校につながることもあるのです。
LDを持っていても、自信を持って学習できるように、適切な支援・理解が必要なのです。