発達障害
トゥレット症候群広汎性発達障害

トゥレット症候群

トゥレット症候群

発達障害

認知度の低いトゥレット症候群トゥレット症候群は、脳機能の障害であり、トゥーレット症候群やトゥレット障害と呼ばれる場合もあります。
平成17年に施行された発達障害者支援法では、発達障害を「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」としていますが、トゥレット症候群は「その他これに類する脳機能障害」に含まれています。
トゥレット症候群は、自閉症やその他の発達障害と同様に正しい理解と支援を必要とする障害なのです。

日本では認知度も低く、トゥレット症候群を診断できる医師も少ないのが現状です。
周囲の理解がないために、誤解されて悩んだり、症状を悪化させたりしている患者がたくさんいます。

※2011/6/8 修正
2〜3行目……レット症候群→トゥレット障害
12行目……レット症候群→トゥレット症候群

トゥレット症候群とは

トゥレット症候群とはトゥレット症候群は1000〜2000人に1人の割合で発症し、男の子の方が女の子に比べ発症率が高いと考えられています。
主な症状にチックがありますが、かつてチックはストレスや不安が原因で起こると考えられていたために、トゥレット症候群の発症を「母親の愛情不足」や「育て方に問題がある」などと誤解されることが多いです。
しかし、トゥレット症候群は、脳内神経伝達物質ドーパミンの過剰活動が原因とされていて、育て方や親の愛情は全く関係ないのです。

トゥレット症候群の症状

トゥレット症候群は平均6〜8歳、遅くても14歳くらいまでに発症します。
まばたき・首を振るなどの単純チックの症状から始まり、咳払い・鼻ならしなどの音声チックの症状、さらに不謹慎な言葉を無意識に言ってしまう複雑チックの症状が出るようになります。

他の障害を併発する場合も多く、注意欠陥多動性障害や脅迫性障害は、特に多い併発症とされています。
そのほか、学習障害・睡眠障害・気分障害などがみられます。

チックの症状

チックの症状には、運動チックと音声チックがあります。

運動チックには、まばたき・首振り・腕振り・白目をむく・顔をしかめるなどの症状があり、複雑運動チックになると臭いをかぐ・ジャンプ・たたく・人や物に触るなどの症状があります。
健常者では真似できないほど激しく首を振ったり、座ったままジャンプする動作などを無意識に繰り返してしまいます。体が勝手に動いてしまうのです。

また、音声チックには、咳払い・鼻をならす・動物の鳴き声のような声を出す・奇声を発するなどの症状があり、複雑音声チックになると、卑猥な言葉や汚い言葉、不謹慎な言葉などを無意識に口にしてしまう汚言症のような症状が出るようになったり、他の人が言った言葉を繰り返し口に出したりするようになります。

複雑運動チック・複雑音声チックは思春期の頃(だいたい10歳以降)から出るようになり、突然無意識に奇声や「バカ」などの言葉を発してしまい、周囲に誤解されてしまうこともあります。

トゥレット症候群の診断

症状と経過をみて診断を行い、さまざまな運動チックと一つ以上の音声チックが長期に渡り続く場合に「トゥレット症候群」と診断されます。

トゥレット症候群の治療

抗ドーパミン作用の強い神経遮断薬など薬を服用して、症状を改善させます。
また、薬物療法や併発症に応じた治療を行う場合もあります。
トゥレット症候群の症状は、改善したり悪くなったりを繰り返しながらも10歳代後半には改善する場合が多いです。
しかし、完全に治癒することはありません。

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