自閉症は女性よりも男性に多くみられ、1000人に1〜2人の割合で発症します。
自閉症にはさまざまな症状があり、軽度の人では健常者と区別がつかないほどの人もいます。
自閉症をテーマとしたテレビドラマなどもあり、理解されるようになってきていますが、まだまだ誤解や偏見が多いのも事実です。
自閉症には周囲の理解や支援が必要なのです。
自閉症には、主に下記の特長があります。
赤ちゃんのうちから特徴的な行動や仕草がみられ、だいたい3歳くらいまでに自閉症に気付く場合が多いです。
自閉症は先天性の障害であり、「テレビを見せ過ぎたから」「愛情が足りなかったから」「本人が怠けている」ということが原因ではありません。
自閉症は生まれつきの脳機能障害であり、発達障害の一つなのです。
1歳を過ぎても言葉がなかなか出ない・多動がみられる・過剰なこだわりがある・パニックを起こすなどの特徴的な症状が見られたことがきっかけで、発達障害支援センターなどに相談するケースが多いようです。
診断は自閉症の特徴的な症状である社会性・コミュニケーション能力・こだわりの3つの症状が3歳くらいまでに見られた場合に、自閉症と診断されます。
3歳未満の赤ちゃんの自閉症に気付いた場合、早く専門的な治療や療育を受けさせてあげたいと感じると思います。
最近は1歳半くらいで自閉症と診断されるケースも出てきましたが、だいたいが3歳前後に診断を受けています。
1歳半検診では自閉症の疑いがある場合に、療育指導などが受けられます。
ちゃんと診断を受けていない状態では、わが子が自閉症であることを受け入れられない場合もありますが、早期療育の重要性から疑いがある場合には、療育指導を勧められる場合が多いです。
1歳半検診では全く何も引っかからず、3歳児検診で自閉症の疑いがあるとされる場合もあります。
検診で何も問題がなかった場合でも、自分で自閉症の症状に気づいたら、専門の機関に相談することをお勧めします。
自閉症の治療では、自閉症の根本を治すことは出来ません。
しかし、症状が緩和できるため、本人と家族の負担を軽減できます。
自閉症の約20〜30%に、(成人するまでに)てんかん発作が起こるとされています。
てんかん発作を繰り返す場合には、てんかんに関する治療が必要となります。
てんかんに対しては、薬物治療が行われ、抗てんかん剤が用いられます。
自閉症には睡眠障害が起こりやすく、深夜(明け方)まで寝ない・早朝に目覚める・不眠などの症状があります。
睡眠障害は発達や情緒にも影響してくるので、日中たくさん体を動かし、夜は眠りやすい環境をつくるなどの工夫が必要となります。
しかし、環境を整えても睡眠障害が改善されない場合には、薬物治療が行われます。
入眠剤や、情緒不安定が睡眠障害の原因となっている場合には安定剤などが用いられます。
思春期や青年期などに多いのが学校や職場でのストレスによる精神病様症状です。
幻覚や妄想などの症状があり、過度の緊張状態になる場合もあります。
このような場合には、抗精神病薬などが用いられます。
抗精神病薬は自傷行為に対しても使用されます。