発達障害者支援法は2004年に施行された法律です。
この法律の施行で、それまでの障害者支援に関する法律では対象となっていなかった知的障害や身体障害のない発達障害の人も対象となりました。
発達障害者支援法は、発達障害者を総合的に支援することを目指す法律であり、発達障害者の年齢や障害の特性に応じた支援を国や自治体、国民の責務であると定めています。
発達障害者支援法では、発達障害者の定義と発達障害への理解・支援を促進すること、医療・福祉・教育など支援する部局の連携などを定めています。
発達障害はかつて障害とされていなかったので、「育て方が悪い」「本人の努力が足りない」などと考えられ、多くの面で困難を抱えてきました。
知的障害のない、障害が目立ちにくい発達障害の人も、障害者として支援を受けられるようになったのです。
早期発見・早期療育・教育・就労・などにおける支援システムの確立を目指しています。
発達障害者支援法第2条において、発達障害は「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。
発達障害者支援法の第5条では、発達障害の早期発見のための施策について定められています。
乳幼児健診(1歳6ヶ月・3歳)や就学前検診において、発達障害の有無を調べるようになりました。
都道府県によっては、発達障害を見つけることを目的として、5歳児検診を行っている場合もあります。
検診では行動発達のチェックをする「発達障害スクリーニング」が導入されています。
1歳6ヶ月では、「絵本をみて知っているものを指さししますか」「人と遊ぶよりは、1人で遊ぶ方が好きですか」など保護者への質問を行いながら、発達障害の兆候がないかチェックしていきます。
障害児通園施設や児童向けのデイサービスなどにおいて、日常的な基本動作や集団生活に向けての訓練を受けられるようになっています。(発達障害者支援法第6条)
発達障害者支援法第10条では、発達障害者の就労支援について定めています。
職業支援は下記の専門機関で行っています。
発達障害ついての理解のある職員が職業相談・職業紹介を行ってくれます。
障害のある人に向けた求職活動の支援を行っています。ハローワークと連携しているというメリットもあります。
検査を行い、得意な作業と苦手な作業などを確認し、職場適応や就職準備などの支援計画を立て、就職をサポートしてくれます。
得意とする能力を伸ばし、就職に結びつけるための職業訓練を行います。
障害者職業能力開発校は全国各地にあり、就職に向けた訓練のほかにも、在職中の人向けのキャリアアップのための講座も開講しています。