発達障害とは、主に先天性の脳機能障害が原因となり、乳幼児期に生じる発達の遅れです。
精神障害や知能障害を伴う場合もあります。
発達障害は、症状の特徴によりいくつかに分類されますが、いくつかの発達障害を合併することもあります。
また、知的障害や精神障害が合併していることもあります。
発達障害の原因は脳機能の障害とされていますが、なぜ脳機能障害が起こるのかということは、はっきりとしていません。
わが子の発達障害が発覚して、自分を責めてしまう母親もいますが、しつけや育て方、環境などが原因ではありません。
本人の怠慢などでもありません。
発達障害の特徴は、先天性の障害だということ、障害は生涯にわたるということ、障害が発達の過程で(年齢とともに)現れてくるということが挙げられます。
発達障害は、発達障害者支援法により定義付けられ、主に広汎性発達障害・学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害の3種類に分類されています。
自閉症やアスペルガー症候群は広汎性発達障害に含まれます。
発達障害 | 広汎性発達障害 | 自閉症 |
アスペルガー症候群 | ||
トゥレット症候群 | ||
学習障害(LD) | ||
注意欠陥多動性障害(ADHD) |
同じ種類の発達障害であっても、症状はさまざまであり、症状は人によって異なります。
次に主な症状の特徴を紹介しますが、必ずしも全て当てはまるわけではなく、いくつかの種類の特徴を持ち合わせている場合もあります。
広汎性発達障害にはコミュニケーション・対人関係・社会性の障害、行動にパターン化が見られるという特徴があります。
また、記憶力がとても優れている場合もあります。
知的な発達に遅れがない場合が多く、聞く・読む・書く・計算するなどの能力の一つまたはいくつかを身につけることに困難が生じます。
特長には不注意(集中力がない)・他動性(じっとすることができない)・衝動性(善悪を判断せずに行動してしまう)などがあります。
発達障害は、知的な障害がない(または軽度の)場合に「軽度発達障害」と呼ばれることがありますが、障害が比較的軽くても、生活のしやすさとは関係せず、「軽度」という言葉が適していないとされ、「軽度発達障害」という言葉は使われなくなってきています。
療育はその人の持っている力を引き出し、充実した生活を送れるようにするための援助であり、社会的な自立への支援でもあります。
無理に何かが出来るように訓練したり、症状の改善のために何かをしたりするのではありません。
その人に合わせた援助を総合的に行っていくのです。
専門家のもとで療育を受けられる療育機関や、療育プログラムが組まれた通信教育などがありますが、その人に合った療育を行うことが大切です。
無理やりやらせるようなことは逆効果となってしまいます。
その人が「生活しやすくなるためにどうしたら良いか」「どんな力を持っていて、どう伸ばしていけば良いのか」などを、考えて支援してあげることが大切なのです。
発達障害を持つ人には、適切な支援が必要です。
適切に対処しなければ悪影響を及ぼし、症状が悪くなったり、二次障害を引き起こしたりしてしまいます。
二次障害には、周囲からの誤解や不適切な対応による、自信の喪失、不登校、ひきこもり、うつ状態などがあります。
二次障害は、周囲の対応や環境によって生じる後天的な障害です。二次障害は、周囲の理解と適切な支援がなければ防げないのです。