発達障害には、自閉症、アスペルガー症候群などの広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などがあります。しかし、発達障害は診断名は同じであっても症状はさまざま。年齢や発達の度合いや環境などによって症状が異なり、複数の発達障害を持ち合わせている場合も少なくありません。
発達障害は、発達障害者支援法によって障害の種類ごとに定義づけされていますが、全てが定義の通りとは限らないのです。
発達障害のある人は、健常者が当たり前と感じていることに困難を示してしまいます。
そのことで周囲に誤解され、悩んだり、困ったりすることもあります。
周囲の対応によって、症状が悪化してしまうこともあるのです。
障害があっても、その人らしく生きるには周囲の適切な対応や理解が必要です。
発達障害の認識不足から、障害に気付かない場合もあります。
「近くに発達障害の人はいない」と思っている人も、実は気付いていないだけで、発達障害を持つ人は身近にいるかもしれません。
障害を知っていても不適切な対応では、本人や家族を傷つけてしまいます。正しい知識と理解が誰にでも必要なのです。
発達障害を持つ人が、周囲にいる人もいれば、全く関わったことがない人もいるかもしれません。
しかし、平成14年度の文部科学省の調査では、通常学級に在籍する学習障害・注意多動性障害などの子供の割合は6.3%とされています。
30人の学級に、知的な障害はなくても、特別な支援を必要とする発達障害を持つ児童は1〜2人いるということになります。
しかし、発達障害は気付きにくく、「落ち着かない子」「こだわりのある子」「話を聞けない子」などとその子の個性と捉えてしまい、病院で診断を受けずに、発達障害に気付かずにいる人も多いようです。
発達障害の診断を受けるのは、親の判断によるのです。
そのため、大人になって発達障害に気付く人も増えています。
発達障害は診断が難しく、人権の問題もあるため、発達障害を持つ人の数は正確にはわかっていません。
しかし、実際は通常の学級に通う児童の約10%が発達障害を抱えているのではないかとも言われています。
発達障害の早期発見・早期支援・早期療育に向けた取り組みがなされています。
先に説明したように、発達障害は気付きにくい場合もあります。子供に障害があることを認めたくないという親の気持ちから、診断が遅くなってしまう場合もあるのだそうです。
早期発見により、早い時期から専門的な療育を受け、周囲が適切な支援をすることは、その子の発育に良い影響を与え、とても重要なことだとされています。
さらに早期発見はその子の心の面でも大切であると言えるでしょう。
みんなが出来る事でも、発達障害があるために、なかなかできない場合もあります。
そのような場面で、適切な対応や支援がなければ、その子の自信を失うことにつながり、ストレスを溜める原因になってしまうのです。